2010年10月21日木曜日

未然形の爪

LUCIO DALLA - CARUSO - LIVE IN VERONA

熟れた秋を歩く
慈愛(うつくしみ)を湛える水の辺(ほとり)
流れに指を浸すと
紫の雲路鳥が啼く

望むことさえ並ばないこのれすとらん
私は声を呑む
急かし為(し)尽くした背の心(うら)さびしさ
蛇足の煩いが引いてゆく色のない岸
再び燃え立ち移ろう野焼きの後始末に
未然形の爪を噛んでは切る

春になったら何をしようかしら
それが口癖
コートの裏地さえ外せないくせに

七曜は瞬く間に過ぎ
春は見限り夏か瓦に赤を貼る
骨身に不実の果実酒を注ぎ
冬に海端をさ迷う

2009年1月22日木曜日19時21分