歌わせないの?
歌わせないの?
見せないの
書かせないの
言わせないの
歌を歌わせないの
だから
暗い暗い部屋で
白熱球を点して
一日を夜にしたまま
でも
一年を春先にして
目を伏せて
指で鍵盤に触れて
誰よりも美しい音色を
花よりも美しいとひとり呟く
歌を歌わせないの
歌を歌わせないの?
だから
詩を奪うの
節を奪うの
泥棒みたいな踊りと
高低のない歌を貴方に進呈するわ
だから
文字を奪うの
音符を奪うの
人形のぎくしゃくした顔と
ロボットのぎこちなさと
貴方が貴方の味噌でこねる人工知能くらいは差し上げて置くわ