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涸れた倦み

  • 人間をつくりたいひと - 1月1日からThe Grapes of Wrathを翻訳し始めました。ドイツ系アメリカ人Jhon Steinbeckの作品です。邦題は「怒りの葡萄」です。私は邦題を付けていません。ヘンリィ・フォンダで映画化されていますが、字幕はありません。文庫本で上中下と3冊になる長さです。昨日はセンテンス二つ、今日は長いセ...
    8 か月前

涸れた倦み

2010年7月31日土曜日

いつだったろう 楽しいと書いた

Queen Fat Bottom Girls

窓が開かない
明日の空が見えない
ときは壁につるした乾いたはな

あなたはわたしにパンをくれた
揃わない器をすっかり棚に上げて
パンをかじる

おんなを演じる首筋は
だんだんおんなに縛られて
ばりばり噛み砕く歯を失う

椅子の向きを変える
向きを変えて
何から逃げ出し
何処へ

不足を補うには
よそよそしい一冊のノート
いつだったろう
楽しいと書いた

消すと消える青いほのお
息を吹きかけると消えるろうそくのあかり
生きたしるし 消えた文字

窓が開かない
あすが遠い
向こうの 山の向こうの
何処に
乾いたはなが壁で色褪せ

あなたはわたしにパンはくれた
わたしはあなたに何も上げない

21:03 2010/07/31 土曜日

2010年7月30日金曜日

遠くはずれて

腕に虹だけ 小林旭

星が空から降るような気はしない
あなたがどこにもいないようないるような気はするの

王子様が沙漠を駱駝に乗って来週迎えに来るような気はしない
あなたを玩(もてあそ)んだような気はするの

哀れみのこもった眼差(まなざ)しで
見ていた
其処であきらめて呆れて
見ていた

遠くはずれて
らしくないに折り合いをつける
からだを離れて隔たってあくび
ちいさな時計がかちかち真面目に時を刻む
一つの意味しかないとしたら安らぎはなんとやさしいの

ゆったりとした空
飛ぶ鳥がいるような気はしない
椅子で揺れる人形の
庭に踏み入らない白い葦

星が昨日と明日を知っているような気はしない
あなたにはもうあえないような気がするの

ゆうぐれに身をかがめる
あれもこれも他人(ひと)ごとに似てうつくしい
見覚えのあるもつれた糸が切れ切れで

20:36 2010/07/30 金曜日

2010年7月29日木曜日

幸せの鳥の色を決めたがる

錆びたナイフ 石原裕次郎

真実は閉ざされた扉の向こう側
やや古典的
いささか思考錯誤

真実は扉を閉ざすその手の平に
真実は扉に背を向け踵(きびす)を返すその足裏に
真実はその扉の内側に
何食わぬ顔で
きよらかな流れ
与えられるイメージ
真実は網膜に結ばれる束の間の映像

幸せの鳥の色を決めたがる
平和の鳥の色を決めたがる
型を彫り刻むあなた
牢獄につながれたあなた
映像は崩れ失われ
失われ失われて

言葉を奪いなさい
言葉(いのち)を奪いなさい
差し上げましょう
差し上げましょう
奪ったあなたの手の平にありますか
奪ったあなたが足蹴にしたその足の裏にありますか

きよらかな流れ
与えられるイメージ
真実は網膜に結ばれる束の間の映像

20:36 2010/07/29 木曜日

2010年7月28日水曜日

其処にあなたがいれば

さいはての慕情 小林旭

黒いですくまっとに囚われ
白い画面に囚われ
かも知れないと
であることに囚われ
1,5m×1,5mの箱に納まる
あたしの完全と不完全

忘れない
忘れられない
忘れたい
忘れた
忘れよう

いちどきに押し寄せ引き返す潮
胸の何処にもない
胸のうち
会っては分かれる
あたし 顔
開けては被(かぶ)せる
あたし 蓋(ふた)

離れない
離れられない
離れたい
戻ろう
あなたに
静まり返った灰の器の底
其処にあなたがいれば

耳を塞いで囚われ
目を閉じてなお囚われ
くちびるを閉じて
あした 傷
ゆうに 陵辱
明けては暮れる 窓
1,5m×1,5m   あたし
いのちの未完と完了

19:23 2010/07/28 水曜日

2010年7月27日火曜日

左に捩(ね)じれ右に捩じれ

When you came into my life 

朝に品位を落とし
夜に品位を落とす
血染めの毛皮を着て
枝から木の実をもぎ取る
ざらついた舌
のーまるな猫撫で声
腫れぼったい姿態
避けて逃(のが)れて離れて虚しい
右に捩(ね)じれ
左に捩(ね)じれ
猫っかぶり

君が辿る惨めなさびしい路地
じめじめと湿った土に半ば埋もれ
さもなくば
さらさらと渇いた風に丸ごとさらされ
目を凝らして見るのはいつも自らの死亡欄

朝靄(もや)に品位が滴り落ち
宵闇に品位が滴り落ち
痛みのないのーまるなしすてむ下(か)
くねった猫背
ねちねちと粘つくねっとわーく
左に捩じれ
右に捩じれ
君よおめおめと引き下がらず
痴態を曝(さら)し給え

21:26 2010/07/27 火曜日 

2010年7月26日月曜日

安全を保障するとは人を殺すことです

Simon and Garfunkel - Bridge Over Troubled Water (Live 1969)

通常
人を殺さない人は人を殺しません
普通
人を殺さない人は人を殺しません
三歩下がって
人を殺さない人は人を殺しません
一歩足を前に出しても
人を殺さない人は人を殺しません
手にナイフを持っても
人を殺さない人は人を殺しません
手にピストルを持っても
人を殺さない人は人を殺しません
武器のない国は戦争をしません
武器のない国は人を殺しません
武器を持たない国は戦争をしません
武器を持たない国は人を殺しません

あなたが望むヒトの檻
あなたが描いたヒトの檻
手術台の上の遺伝子改変緑色ニホンザル
手術台の横の普通で通常の精神の医師と科学者

安全を保障するとは貧困を強いることです
安全を保障するとは武器を持つことです
安全を保障するとは銃を持たない人に銃を向けることです
安全を保障するとは戦争を強いることです
安全を保障するとは人を殺すことです
安全保障の名の下正義の旗を振るてろりすと
安全保障の名の下に人体実験を持続するてろりすと

Terror恐怖
Terrorist恐怖政治家
貧しさを強いる国家
貧しさを強いられる国家
Terror恐怖
Terrorist恐怖政治家
死を覚悟してその日を生きる人と国
死を覚悟して既に人に遠く高い場所から見渡す私

私は知らないと言いました?
私は分からないと言いました?
私は命じられたと言いました?
私は人体実験秘密保持のために全員殺しましたと言いました?

通常
人を殺さない人は人を殺しません
普通
人を殺さない人は人を殺しません

21:41 2010/07/26 月曜日

2010年7月25日日曜日

いのちがあり、言葉があり、すべてがある

落ち葉のコンチェルト(訳詞付) / アルバート・ハモンド

人が生まれ
人が海と名づけ
海となった

海は青く広く
波は高く
水平線に日が沈んだ

今日を忘れる
今を忘れる
暗い夜
そして
明日が開く

人が生まれ
人が大地と名付け
大地となった

大地があり
男と女がいた
母の胎内で人はカタチヅクラレ
母も
その母も

誕生が繰り返され
死に至るには時を要し
生は死を上回り
人が増え
人が増え
集いたがり
争いたがり

私がこの家に生まれ、ここにいる
彼はその国に生まれ、生きる
平和が彼を癒し
争いが彼を脅かし

私が、この家の他に帰る家がないように
彼は、その国以外に帰る国はない
私が、家族を愛し、時に、やはり愛すように
彼は、祖国を愛し、時に、やはり愛す

海がある
大地がある
人がいる
私は土を踏みしめる

人がいて囲いを作り、我が祖国と名付けた
ただそれだけ
人がいて囲いを作り、我が海と名付けた
ただそれだけ

風がひふにふれ
何処までもどんよりした空
美名の下、一輪の花を踏み躙る
穏やかな庭を枯らす救いがたい恭順の意を持って

人がいる
いのちがある
いのちがあり、言葉がある
いのちがあり、言葉があり、すべてがある
大地があり、海があり、人がいる

21:25 2010/07/25 日曜日

2010年7月24日土曜日

Ambivalence(両価性)


Still Loving You

Scorpions | MySpace Music Videos

道に迷ったら
もっと奥へ
もっと奥へ
迷っていることさえ忘れてしまうほど奥へ
怖くて疲れて倒れて目が覚めたらもっと奥へ
森の奥はいつか海
森の奥はきっと街
森はいつか森を通り越す

森で道に迷ったら
じっとして
耳を澄まして
深い森の音が聞こえたら
泣きます
涙がひとつぶこぼれたら
木の枝を折り
木の壁と葉っぱの屋根がわたしのおうち
今夜からここで眠ります
一体王子様はいつ迎えに来るのかしら
そのうち王子様はいらなくなるのに

愛と憎しみは背中合わせ
善と悪はそれぞれの掌中
好きだけど嫌い
死にたいけど生きたい
行きたいけど帰る
頑張りたいけど怠けよう
見たいでも見ない

おだやかな森には住まない
ためらいの沼の辺(ほと)り迷いながら立ち尽くす

19:01 2010/07/24 土曜日

2010年7月23日金曜日

路に妄想在り

Maybe I Maybe You - Scorpions

線路は貴方の住む街に繋がり
錆びた路に雨が降る
路が貴方に逢える路が水に浸かり
路を貴方に通じる路を見失う

路端に花を咲かせ
線路に夏草を生やし
そうしてわたしは詩を書き
そうしてあなたは小説を書く
わたしは楽観が過ぎたり如才なかったり
あなたは憂鬱が過ぎたり場当たり的であったり

ふたしかで
果敢(はか)ない想いの淵
束(つか)の間の拠(よ)り所
欠けたカタチ
揃わないカルタ

誤りはわたしの今を成形し
事実が遠い昔のわたしを作った
主観は客観を上回る
客観も又主観である

しあわせ
ふしあわせ
おろかな節合わせ
詩人の忍び音が線路の上をひた走る

18:59 2010/07/23 金曜日

2010年7月22日木曜日

奇異なわたしはいけませんか

Can't take my eyes off you 訳詞付/ グロリア・ゲイナー

奇異なわたしはいけませんか
怪しいわたし
気に障りますか
異なるわたし
こそ在らねばならない
暗い空に覆われた大地
うなだれるわたし
雨に打たれ海辺に向かう
闇をさ迷うわたしがわたしです

気楽にふらふら暮らすあなたが好きになれません
たやすいことに傾くあなたが好きになれません
同類が土塁に囲まれて涙を流して同情し合って慰め合って群れ合って
不安と孤立を懼れる君らは
欠けてないもの
とらえどころがないもの
水と雲ととかげとなめくじが嫌いですか

アンダー ザ アムブレラ(傘下)
アンダー ザ プロテクション(保護下)
安心は堕落とよく似ています

異なったものを異なっていると君が言わなければ
異なった人はいない
怪物を怪物だと君が言わなければ
怪物はいない

貴方は貴方の行動に責任を持てますか
わたしはわたしの行動に責任を持ちます
社会的プログラムは監獄と開かない窓と大量の毒薬
妄想とはわたしがひとり思うこと
真実とは貴方と君らの盲点

ちいさなわたしの大きな拘(こだわ)り
分別は弁(わきま)えるに及ばず
既に手の内に在るものは無いに等しい
アンダー ザ アムブレラ(傘下)
アンダー ザ プロテクション(保護下)
更正は死によく似ています

20:38 2010/07/22 木曜日

2010年7月21日水曜日

一文無しで繋いだ手

雨に濡れた朝/キャット・スティーヴンス Morning Has Broken/Cat Stevens

一文無しで繋いだ手
紙くずに似た日々
あてもなくどこまでも歩いて
貧しさをいとおしむ
ゴミ箱にあの日の花を投げ入れないで

きれいだとか変わらないとかふさわしいとか
譜面の上に調和の取れた音符を載せ
正しい演奏方法で美しい音をと
豚と鶏の飼育方法を教える

何時からとなく
路地の行き止まりに
恋いこがれ求めたのは
あやふやとぬかるみとどん底

途方もないパズル
ヒトのカタチを探し
ヒトのカタチを造り上げる
球形の目指す一点に向かう

縮かんだ地球の自転とその重いステップ
血の気の引いたくちびるも言葉少な
黒い布を付けた旗が荒野に靡(なび)く

斥(しりぞ)けはしない
急(せ)かせはしない
断ち切るまい
日暮れに紫の空を愛し
闇に白い鳥の飛翔を描き
慎みを忘れまい

20:16 2010/07/21 水曜日 

2010年7月20日火曜日

ナイカラ

あんぱんもフレンチトーストも
食べるし
スペインのワインも梅酒も
飲む
木に昇り
海の底に潜る
空の上から彼方を見下ろしてみたり
地下室の隅で憑かれた体を休めたり
映画館の椅子で人らしく笑ってみたり

ナニモナイカラ
無い空と呼んで
燕も雀も飛ばない空
飛ぶ鳥の飛べないうつろな画面

あほでもばかでも
ワタシハダイスキ
みんな束ねてどらいふらわーにして
壁に吊るすことにしている

2008年初め

いつもnifty「ココログオエカキ」は、私用に切り取った画面を作っていましたから、この絵のように白い部分が出来ます。
最終的には、Gooにもniftyにも絵を書かせないようにしました。
かなりの絵を盗み、皆汚し、改竄して私の絵ではなくなっています。
この詩は、Goo「返信」で発表しましたが、Gooはこの詩の載せてある「返信」を社民党と一緒に非表示にし、この詩を削除しています。
最近livedoorに発表しましたが、一部改竄されています。
現在livedoor、Goo、Googleの検索に載っていません。

23:51 2010/07/20 火曜日 

2010年7月19日月曜日

つまらないあなたにおくるつまらない詩

Scorpions - Lonely nights

つまらない

あなたに言った
あなたは
つまらない顔さえしない
つまんない

あなたに言った
あなたは
なにも言わないから
つまんなくなった
つまらないといっしょに言ってくれない
つまらないことを分かっていない顔を見ている

つまらないのかどうなのか分からなくなった
つまらないって何?

つまらない
のよ
この詩

ひさしぶりにつめをきれいにして
まにきゅあを塗る
あなたはいない
つまらない

もう言わない
つまらない

言えない
ほんとはつまらない
あなたがいない

お花がたくさん咲いた
そらにくもひとつない
あなたもいない
もうすぐ花火が上がる
あなたがそらにいるとはおもえない
もうすぐお墓参り
あなたを地の底に埋められない
いっしょに生きようね

だからいま
つまらないとは言わない
つまらなさ
つまらないと言えない
つまらなさ

灰にしないで
骨にしないで
焼かないで
地の底に行くのも
海にばら撒かれるのもいや
いっしょに生きようね

だれか言って

21:43 2010/07/19 月曜日

2010年7月18日日曜日

萎れた疵

ジリオラ・チンクエッティ 恋よまわれ Gira l'amore

指を切った
赤い血がまあるくふくらみ
シンクに落ちて滲む

押し込まれた健気な赤い充実
籠の中のトマトが燃え尽き
私は疲れて
ちっぽけな常日頃が憎らしい

キッチンの片隅でじゃがいもの皮を剥くだけの断罪
胸の痛みさえ与えられない日暮れには
すすり泣きは紙布巾に包んで使い捨て
実(まこと)しやかな屋根の修繕を繰り返す
肩の空ろ

言いそびれました
私はあなたの常夜灯でした

分かれの文字は色を失くし
端書きばかりが妄(みだ)りに長い
不具な思いは散らばり縺れ
純潔が白い布地を抱いて走る夏
私は疲れて
萎れた疵が口惜しい

2008年8月2日 22時53分 

2010年7月17日土曜日

死に後れて

アムールの小波

たそがれに
包み隠していた仔細が
詩魂の通路の翳りが
必然の光に隈なく照らされ赤裸々

たそがれは
儚むいのちも伸びやかに
なす術もなく逃げる記憶を風が運び
ひんやりと器の底

文字が掠(かす)れて
声が掠れて
歌えない
死に後(おく)れて
からっぽで
身一つ

たそがれに
寂(せき)として声もなく
乱れたくるぶし
手折るききょう

たそがれは
背骨に沿って貴方を偲ぶ
日の落ちた窓
数え切れない文字を組み合わせ
扉に一つずつ鍵をかける

21:02 2010/07/17

2010年7月16日金曜日

素敵この人生

Queen-Las Palabras de Amor

じめじめしたJapan
まつわりついてなめくじの
梅雨を過ぎ
道徳的危険吹き荒れて
冬を迎える

からっとした
がらんとした
素敵
この人生

逃げ道のない自由意志
両手で握り返すとき
君の手の熱を冷ます
両目で見つめるとき
君の眼差しに期待するのは冷酷

最近とかげが好きなのよ
切ってから好きになったの
切れて尚潔く
果敢なくて尚
しっぽだけでくねくねするんですもの

曲がりくねった斜陽俗
請う苦悩はとかげのしっぽ
罪も過ちも細かく小口切りにして煮沸消毒
急斜面に転がして踏ん付けてしまいましょ

底なし沼の白蓮
すっぽ抜けてるわ何かが
考えない葦二本
穢れなき清らかがせせら嗤う流れ 
溺れるときはひとりで
猫は食事時に側に置かないで
コンサートに同情を運ぶのは止して

最近自惚れているの
花は咲くものだし
葉は茂るものだし
茎は伸びるものだ

じっと見ると逸れる君の目
じっと見るとうろたえる君の目
禁獄の自由意志
閉じ込められた時の窪み
Japanカップ
愚物のゲートが開き馬が一斉に走る

からっとした
がらんとした
素敵
この人生

20:09 2010/07/16 金曜日

2010年7月15日木曜日

アイタイ アナタニ

Sarah Brightman & Antonio Banderas - The Phantom Of The Oper

ねえあなたは
ツメタクテ
カタクテ
ダキシメテって言っても
抱き締めるしかなかった

弧を青空に描き
海に行って来たのなんて
手を離すと割れる器
知っていて手を離す
やさしさはなんだかむしゃくしゃ
あこがれは八月の潮の残渣

背を向ける
見詰める
スレチガウ

わたしを見た?
わたしの何を見た?
あなたはいなかったし
わたしもいなかった
あなたを見なかったし
あなたの鏡の中のわたしを見た

びっくりするじゃない
悲嘆に暮れて
日が暮れて
そして朝が来た
わたしは待ちくたびれて道を見る
引き裂いた可能が壁に引っ掛かっていた

ねえあなたは
ツメタクテ
カタクテ
ダキシメテって言えなくて
抱き締める
それさえデキナイ

とらんぷとらんぷ並べてみる
おどけて退屈しのぎ
ゆだねる身も
脱ぎ捨てるどれすも
暑い盛りの退屈厭世びにろん

背を向ける
見詰める
スレチガウ

アイタイ アナタニ

20:09 2010/07/15 木曜日

2010年7月14日水曜日

幸福(ひと)のしるし

Sarah Brightman & Fernando Lima, Pasion in Vienna. Live.


雲がちぎれて
パンをちぎって
紙をちぎって
幸福(ひと)を忘れ

仄暗(ほのぐら)いろうそくの灯り
違う果実を割り
別人を生きて
あてもなく
幸福(ひと)を探す

鍵をかけて閉じ込めて
深くとどめて身に刻む幸福(ひと)
夏椿の五弁花がほろり
いのちに随(したが)って落ちる

縫い付け継(つ)ぎあわせ
夜を作り朝を呼ぶ
束ねた針金の錆
食卓の定めに背いて割れたぐらす
この日この瞬間(とき)
幸福(ひと)が唯一であることの赤いしるし

眼差しがゆれ
腰がゆれ
焔がゆれ
幸福(ひと)を待ち侘びる

19:28 2010/07/14 水曜日

2010年7月13日火曜日

綴じる夜

EL CONDOR PASA - FERNANDO LIMA

手ざわりが欲しい
触れて確かめる
切符を買って汽車に乗る
触れるとそこにない
ガラスを伝って滴(しずく)が毀れる
席に座ると降りる駅が分からない

わずかに痛む海辺の日焼けの
軽い嘘がつけたら味を占めて消えてしまう傷の
皮にも骨にも肉にも羽をつけ飛んで行くナニモカモ
動かされるより動いて
咲く花を見るよりつぼみのうちに仕舞ってしまう

手ざわりが欲しい
夢の炎の出口と入口の
寄せ集める身の内の切り札の
門を開いて開いて開くことしか知らない
道を譲って譲って譲ることしか知らない
ドコマデモさらさらと白い沙(すな)
ドコマデモナイ私(わたし)

腕に触れて
ただ腕に触れて
触れても触れてもミエナイ
触れても触れてもヤブレテ
ごまかしてむりやりこじ開けて綴じる夜

21:45 2010/07/13 火曜日

2010年7月12日月曜日

星が流れなくなりました

ボヘミアン・ラプソディ(訳詞付) / Queen

長い手紙が書けません
古い辞書を手元に置いて
夫を亡くした妻のように
男と分かれた女のように
捲(めく)っても捲っても
似合う詞が探せません
捲るほどに
並んだ文字が意味を失います

風に旗が靡(なび)くように
潮が満ちて引くように
星が流れなくなりました
ことりが木々から飛び立ちません
受け止めて暮らすには
ぎしぎし否定の詞(ことば)が多過ぎます

青いインク
白い便箋
貴方に長い手紙が書きたい
手の平の細い道の不自由を解き
その道に灯をともし
櫂(かい)で小船が進むように
川が海に注ぐように
貴方に近づきたい

渇いた紙に雨が落ちます
書かない手紙に青が滲みます

22:19 2010/07/12 月曜日