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涸れた倦み

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    5 年前

涸れた倦み

2014年1月9日木曜日

親である貴方だけが子供を愛している。(毎日新聞を読んで)21

「創造的人材を育てる教育」と題し、毎日新聞で、いわき市教育委員会佐川秀雄と文科省生涯学習政策局参事官付専門職南郷市兵が対談している。
最近は、祭り、歌、踊り、アート流行り。
確かに、有りもしなかった祭りを、「江戸時代から伝わっています。」とテレヴィでアナウンサーが語りさえすれば、又、新聞、雑誌、書籍上に掲載さえすれば、祭りは昔から有った事になる。
震災の事を中学生に自分の言葉で語らせる事が重要だといわき市教育委員会佐川秀雄は言う。
 
私は、数年間、毎日繰り返し流される津波のヴィデオを見て、直ぐに止めるべきだと思っていた。
各都市の防災関係者にヴィデオを提供し、役立てるなら良い。
しかし、PTSDと五月蝿くテレヴィに言わせ、何億円もの、要りもしないPTSD対策関連の経費を政府は支出している。
テレヴィ局が、津波の映像を繰り返し流すのは、PTSDを誘発、或いは治療困難にさせたいからとしか思えない。
精神科医に災害関連費を安直に回す事が目的である。
 
津波で家を失った。
家族を失った。
友達をではない、友達などではなく、家族を失った。
幼い内は友人など幾らでも出来る。
かけがえのない友人などいる筈がない。
家を、ではない、家は幾らでも借りられるし建てられる。
家族を失った事、それが悲しい。
他に悲しみの原因となるものはない。
 
そこで、何故何度も何度も震災の話ばかりテレヴィは流す?
何故、精神科医は、そんなにもPTSDを宣伝する?
 
父と母を亡くした。
子供を亡くした。
そこにあるのは、PTSDではなく、救われようも、救いようもない喪失感である。
喪失感は、多くの場合、やがて他のもので埋められる。
老人は、亡くした夫と亡くした妻を忘れられない。
しかし、それにしても、何時か人には分かれがやって来る。
どんな風にその時が来るのか知れないが、誰にも、深い喪失感に悩まされる日々は必ず訪れる。
 
津波という突発的な不幸によって、一時(いちどき)に大勢の人が家族を喪失した。
酷ではあるが、今更思っても思ってもどうしようもない。
 
そこで、何故何度も何度も震災の話ばかりテレヴィは流す?
何故、精神科医は、そんなにもPTSDを宣伝する?
 
いわき市教育委員会佐川秀雄は、親、学校、地域、民間の力を寄せ合って子供を教育すると、言い古された台詞を又口にする。
子供は、親が育てなければならない。
親以外に子供を愛する人はいない。
学校、地域、民間の力と、子供を監視する人と組織が益々増えてゆく。
私が子供なら、誰にも面倒を見られたくない。
親には頼るが、他の人には頼りたくない。
そうした子供の親と他者を異なるものとして認識する事、子供の、他者には頼らないという誇りこそ大切に育てられなければならない。
 
民間の力というが、実は、そこで働くのは、共産党員が多い。
私は、嘗て少しの間、学童保育所で働いた。
そこには、共産党員と共産党員の子供がいた。
市内の学童保育所は皆、共産党員の就職口だった。
多くの保育園、幼稚園では、宗教関係者と共産党員が子供の世話をしている。
 
文部科学省は、創造的人材を作りたいらしいが、それが可能であるとすれば、親である貴方が育てる場合のみである。
幾らお金になるからと言って、貴方が家庭を空っぽにする事も、待機児童減少対策を推進する事も、子供を立派にしはしない。
親である貴方だけが、子供を愛している。

15:55 2013/12/07土曜日