犠牲
漂う砂に包(くる)まれて足が追う
やわらかに絡む茎
水が綴るのは前触れ
青く錆を帯びて
逃げる僕の席
僕は籠で吠(な)く鳥
生まれ落ち、海を志す
唯一つでありたい
只生きていたい
今は生きる意味を教えないで
生きられない分けを掻き集めないで
暮れる夕ベ
なみだを流す僕
目が眩むほど違っている
改めなければならない眼差しの構造
装い始めると果てしがないこの唇
掴えて感じさせ煩しいと隅に追い遣る
流れる時
漠とした砂の原
繰り返す波の往き来
僕は籠で吠(な)く
唯一つでありたい
只生きていたい
生き延びて、海へ
避けられない轍(わだち)を拠り所とし
戯れの砂を頬張り
偽りの空を高く飛ぶ
片翼はその人の従僕(しもべ)
片翼は日に日に不如意の際(きわ)に迫る
陽が沈む
置きどころのないこの身
僕のために生きていると貴方は言う
貴方の加護で生きていると僕は信じる
僕のために運ばれた孤独を貴方は奪い
僕の胸に用意された嫌悪を貴方は好意に変える
こころに病(やまい)を
ひとに似つかわしい罪を
貴方は念入りに文書に認(したた)めて
僕はそっくり写し撮る
志しを離れ世に釣り合う趣(おもむき)は麗しい
この檻に仕え飼い鳥に倣(なら)う
唯一つでありたい
只生きていたい
今日も青い空の塞がる夜を待つ
濁った水の引く浜を見たい
地の定まらない形
なみだを流す僕
目が眩むほど違っている
思い出さなければならない岸
それでも静かに揺れる水面(みなも)
我を忘れて群がり尽きると他を踏み躙る
一番先に
一番優れて
何もかも身に纏う
逆らわず急いで弁(わきま)える
誰のために
何のために
如何にも切々と
人の世を知り尽くしているように
21:38 2014/05/17土曜日
漂う砂に包(くる)まれて足が追う
やわらかに絡む茎
水が綴るのは前触れ
青く錆を帯びて
逃げる僕の席
僕は籠で吠(な)く鳥
生まれ落ち、海を志す
唯一つでありたい
只生きていたい
今は生きる意味を教えないで
生きられない分けを掻き集めないで
暮れる夕ベ
なみだを流す僕
目が眩むほど違っている
改めなければならない眼差しの構造
装い始めると果てしがないこの唇
掴えて感じさせ煩しいと隅に追い遣る
流れる時
漠とした砂の原
繰り返す波の往き来
僕は籠で吠(な)く
唯一つでありたい
只生きていたい
生き延びて、海へ
避けられない轍(わだち)を拠り所とし
戯れの砂を頬張り
偽りの空を高く飛ぶ
片翼はその人の従僕(しもべ)
片翼は日に日に不如意の際(きわ)に迫る
陽が沈む
置きどころのないこの身
僕のために生きていると貴方は言う
貴方の加護で生きていると僕は信じる
僕のために運ばれた孤独を貴方は奪い
僕の胸に用意された嫌悪を貴方は好意に変える
こころに病(やまい)を
ひとに似つかわしい罪を
貴方は念入りに文書に認(したた)めて
僕はそっくり写し撮る
志しを離れ世に釣り合う趣(おもむき)は麗しい
この檻に仕え飼い鳥に倣(なら)う
唯一つでありたい
只生きていたい
今日も青い空の塞がる夜を待つ
濁った水の引く浜を見たい
地の定まらない形
なみだを流す僕
目が眩むほど違っている
思い出さなければならない岸
それでも静かに揺れる水面(みなも)
我を忘れて群がり尽きると他を踏み躙る
一番先に
一番優れて
何もかも身に纏う
逆らわず急いで弁(わきま)える
誰のために
何のために
如何にも切々と
人の世を知り尽くしているように
21:38 2014/05/17土曜日