ジリオラ・チンクエッティ 燕のように Volano Le Rondini japanese
雨が降るように樹木の窓から陽が降り注ぐ
濁った水溜りに雲が流れ過日の空が写る
有限花序で咲いた誇らしげな花
心のかたちがくちびるのかたちだからと
貴方に傾く炎を折り
縫い合わせたあの落失
見え透いた二元論で
男は女を手放し女は男を打ち消す
注文した冬のレモンネード
諳(そら)んじた恋の不運
感傷的な独唱が風にゆれ波に踊る人の世を
束の間の夢と覚え
拓(ひら)くことのなかった便りを走り読みすれば
形成できなかった明日がテーブルの上でほほ笑む
2009年1月20日20時29分
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