五輪真弓 おまえ
わずかに緩んだ室内
ささやかな静寂と言う名の休息より
不意にはらはら床に零れるバラの花弁
ありとあらゆる温もりより
寒風に晒され凍りついた氷柱に
抱かれたい夜
凡庸なドアの内側
描く喜びの錯誤より
確実に遠ざかるヒトであった誇り
ありとあらゆる恥じらいより
枯れ木の沈む泥沼に
落ちたい夜
結実より散乱を
散乱より確かな結実を
頑なな芯
取り残され剥き出しに
2008年1月
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