西島三重子 一瞬の夏
ぱらぱらと捲(めく)るからだ
明らめ
得難いめぐみ
踏み行うべき道を行け
放り投げ
悲しみに駆り立てろ
そろえて整える
ひとつが欠け
その線でそろえられる
道理の外に耳があり
紙の断片に目がある
ぱらぱらと捲(めく)っては仕える
からだは何でも知りたがり何でもする
決別から成り立ち無を恋う
止まりたい収まりたい実を結びたい
そして鎖(とざ)す
堅く閉じたくちびるの内側は耳であり
曲りくねった空は目である
18:59 2011/09/20 火曜日
-