西島三重子 一瞬の夏
丸太が浮かび
魚(うお)が白い腹を見せる
見知らぬ街の見慣れた疏水(そすい)
短い夜が始まり
いつの間に夏が往き
見せかけの家の見捨てた壁
痞(つか)えた息が淀む
君のいない昼食に
片肘付いて
みじめな空腹をコップに入れて呑み込む
手付かずの布
束ねた糸
裂いて紡ぐ我が衣
埃もなく貧しい
逃げ帰る君の背
約(つづま)やかな通路
損なわれた爪
枯れた野の摘み草
20:11 2010/08/28 土曜日
The Grapes of Wrath John Steinbeck(悲憤という葡萄)
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Ⅰ
オクラホウマの赤い地方と灰色の地方の一部に最上の雨季が穏やかに巡って来た、そしてそれは脅えた土壌を切り刻みはしなかった。北斗七星が細い流れに十字を切り再び十字を切り直した。最上の雨季はトウモロコシを高くもたげ雑草群や
[…]
1 週間前
