時計・・・五輪真弓
あざやかな記し
寄る辺なく暮れる日々
朝(あした)も夕べも
影と形が貴方と一緒にありますように
レコードに書き留めた音
ほかへ逸れることもなく針が径を辿る
初めから終わりまで
影と形が貴方と重なっていますように
わずかな時を咲く五弁の花
向こう岸に渡ろうとしては挫(くじ)けた
春の日も秋の夜も
影と形が貴方と寄り添ってありますように
没するヒトと堕ちる悦楽(よろこび)
球形の野に実もなくわだかまりもなく
風吹く街に雨降る路に
影と形が貴方と共に打たれ共に朽ち果てますように
不一と書いては言い尽くせない思いを呑み込む
迷いから醒めると表紙が色褪せて振り返らず
夏の陽に冬の淡雪に
影と形がつらく震え悲しく捩(よじ)れる
21:26 2011/03/11金曜日
The Grapes of Wrath John Steinbeck(悲憤という葡萄)
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Ⅰ
オクラホウマの赤い地方と灰色の地方の一部に最上の雨季が穏やかに巡って来た、そしてそれは脅えた土壌を切り刻みはしなかった。北斗七星が細い流れに十字を切り再び十字を切り直した。最上の雨季はトウモロコシを高くもたげ雑草群や
[…]
2 週間前
