一瞬の夏
詩など書くわたし
根っからの妄想壁(かべ)
嘘などつけない冬にはインクの凍み
生真面目な春には情けが沁み
無我夢中の夏には雨の滲み
季節の色に染まらないわたし
妄想壁(かべ)
朝起きて
食事を三回摂って
寝ました
毎日同じ
一生同じ
恋をしていないのに
恋をしたと書くのよ
風が吹き荒ぶこの机の上
真実なんて地下にも埋まって無いのに
正義なんて詐欺師の牙に過ぎないのに
摘む毒苺
掴む藁
詩など書くわたし
根っからの妄想壁(かべ)
筆舌に尽くし難い容積を上回る陽性反応
必然には念のためを
偶然には不可欠の構成要素を分析
名誉を毀損されているのに
名誉を毀損したと拘置所に入るのよ
戯曲好きが芝生を踏み荒らすこのNET
彼は本当は怒っていないのに怒り狂い
彼女は売春宿の管理人なのに外交官
詩など書くわたし
根っからの妄想壁(かべ)
22:04 2011/03/07月曜日
自棄・・やけ
掴む藁・・つかむわら
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