- Within Temptation (Lyrics) -The Truth Beneath The Rose

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涸れた倦み

  • 自分を失った時人は自分らしくできない - 認知症なんて言わなかった、ぼけ老人と言っていた。認知症と言えば格好がつくとでも思っている。厚生労働省は誰でも何歳でも発症すると言っている。何と便利な。統合失調症も便利だが認知症も便利だ。医者にとって、厚生労働省にとって。皆、病人を出さなければない仕事だ。「認知症になっても自分らしく生きる社会」と書いてある。認知症...
    2 週間前

涸れた倦み

2010年10月3日日曜日

この椅子

一瞬の夏

夜半の風が剥き出しの膚を冷やす
無灯火で歩む秋(とき)の径は
月影に散らばり乱れ
むごたらしい夏草の荒れ野を通って此処にいるのか
記憶の轍(わだち)は切れ切れで

畠でトマトが熟す
肥えた南瓜の蔓(つる)が地を這う
あの午後のピューレは肉汁を染めているのに
思い出せない季節の色

今年も出さなかった暑中見舞いが
箪笥の奥の畳んだままのワンピースが
炎の糸を縒る
睦まじい白鳥(しらとり)を見上げては
行く先を追った海辺

求めない
流れ着く岸辺を探さない
予め無辺のこの椅子
考え込むことも無く
わだかまりも無く
私はひとかどの燃え殻になる
窓辺に突っ立つだけの固体の拙(つたな)さ

2008年9月22日月曜日10:07:11