西島三重子 一瞬の夏
だらけた口元
皿に盛られた
底の浅いお話し
あ・ら・もーどには目もくれず
噛みしめる代わりに審(つまび)らかにする
沈む藁
邪魔になるのは直ぐ側の邪魔
ばらばらにした文字
組み合わせるのは気分の満ち欠け
道の辺(ほとり)の死者の器具
哺乳動物の幸運の確立は不運の確立を上回ることとする
過(あやま)ちを切り捨てたり貼り付けたりする取り決めは足りることのない性の愛唱歌「International」
煮え切らない賛歌
始末を付けようぜ
海はコバルトブルー
空はスカイブルー
追い込まれるじゃないか、青が
混ぜる自由と美(うるわ)しき夕べを認めないのか
沈む陽に見限る藁を
21:23 2011/05/18水曜日