アムールの小波
たそがれに
包み隠していた仔細が
詩魂の通路の翳りが
必然の光に隈なく照らされ赤裸々
たそがれは
儚むいのちも伸びやかに
なす術もなく逃げる記憶を風が運び
ひんやりと器の底
文字が掠(かす)れて
声が掠れて
歌えない
死に後(おく)れて
からっぽで
身一つ
たそがれに
寂(せき)として声もなく
乱れたくるぶし
手折るききょう
たそがれは
背骨に沿って貴方を偲ぶ
日の落ちた窓
数え切れない文字を組み合わせ
扉に一つずつ鍵をかける
21:02 2010/07/17
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