さいはての慕情 小林旭
黒いですくまっとに囚われ
白い画面に囚われ
かも知れないと
であることに囚われ
1,5m×1,5mの箱に納まる
あたしの完全と不完全
忘れない
忘れられない
忘れたい
忘れた
忘れよう
いちどきに押し寄せ引き返す潮
胸の何処にもない
胸のうち
会っては分かれる
あたし 顔
開けては被(かぶ)せる
あたし 蓋(ふた)
離れない
離れられない
離れたい
戻ろう
あなたに
静まり返った灰の器の底
其処にあなたがいれば
耳を塞いで囚われ
目を閉じてなお囚われ
くちびるを閉じて
あした 傷
ゆうに 陵辱
明けては暮れる 窓
1,5m×1,5m あたし
いのちの未完と完了
19:23 2010/07/28 水曜日
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