ただ愛に生きるだけ/マルティーヌ・クレマンソー Un Jour L'Amour
誰が来たんだろう
誰が居るんだろう
がらんと理不尽な殻の中
居るかも知れないし
居ないかも知れない
かわりばんこに開く扉
花が枯れた
寂れた窓から光が射し込む
がら空きの戸の内
喉が渇く
ひりひりと
ぶどうから作ったわいん
ぐらすが壊れた束縛
何が恨めしいのだろう
何を諦めないのだろう
危うく溺れている青の底
鍵はテーブルの上にあったに違いないし
りんごは木の下に落ちて腐っていた
ありふれた音楽に合わせて踊る床(ゆか)
葉が枯れた
一様にうなだれて元の位置に戻らない
形式的なこころの根が失われる
喉が渇く
ひりひりと
紙の上の文字
杳(よう)として針路を修正できない肉塊(にっかい)
21:47 2010/07/11 日曜日